中国・雲南省西北部の旅 (1997年8月)

1997年8月に雲南省の省都である昆明で配糖体の国際学会があった。(参加者

その後で、1週間の雲南省西北部へのPost Symposium Tour が企画された。参加者(右写真)は実に様々で、昆明植物研究所の王博士が案内役として参加し、北朝鮮系の中国人のガイドに、日本(5人)、韓国、ドイツ、モロッコという国際色豊かな団体旅行となった。右の写真で、5人の日本人を的確に指摘できるだろうか?
そこで観察した植物の写真は別のサイトに載せた。

昆明空港から大理石で有名な大理までは、最近は空路があるので、1時間で着く。この付近には、野生の大麻 がたくさんある。その近くにある虎跳峡は長江が深く穿った峡谷(下にいる小さな人物と比較)で、左右の切り立った崖は美しい大理石で出来ている。 道端では水晶と生薬を売っている。このあたりまで、日本の観光客が来ることは看板の字を見れば分る。しかし、片仮名は苦手らしい。世界の植物写真(Plant Image Gallery)を一緒に掲載しているドイツのトーマス・シュプケ との記念撮影。崖の上部は玉龍雪山(5800m)につながる。

その麓には広い草原が広がり、シオガマや、シソ科、キンポウゲ科などの沢山の高山植物のお花畑 になっている。

麗江は玉龍雪山を望む美しく、古い町で、未だに、象形文字のトンパ文字が使われている。古道具屋できれいな刺繍を買った。

そこから更に北上して、標高3000メートル中甸に行くと、そこは、チベット民族の町で、人々の様相が全く異なる。山羊のチーズを売っている。腰に、山刀をぶら下げた鬚面の精悍な男達もいた(怖いから写真は撮れなかった)。また、ここは松茸の大産地で、帰りの飛行機はその荷物の為に、遅れた程だ。その郊外の峠を訪ねると、チベット民族の仮小屋があり、伐採をしている。リンドウ科やキンポウゲ科の高山植物が多い。その傍の湖には沢山の家畜が放牧されていた。ここでは、高貴な人が死ぬと天に登るとして、鳥葬が行われる。その儀式に使われる台。この台を背景に、「生きた」人の写真を撮ると、よくない祟りがあるそうだ。


以下に変わったシオガマ(ゴマノハグサ科)の仲間の写真を4種載せます。
Pedicularis polydenta 多歯馬先蒿 Dali(大理,蒼山) 1997/8/17
Pedicularis siphonantha 管花馬先蒿 Zhongdian(中甸) 1997/8/19
Pedicularis tenuisecta 繊裂馬先蒿 Zhongdian(中甸) 1997/8/19
Pedicularis confertiflora 聚花馬先蒿 Zhongdian(中甸) 1997/8/19