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1989年に先代の田中治教授がエジプトのAssiut大学から留学生Kamel氏を受け入れた。1990年から山崎がその指導を継続し、エジプト産Salvadora persica (Salvadoraceae)から新規リグナン配糖体を発見した。帰国後、母国で学位を修得し、同大学の後輩のKhaled Mohamed氏を紹介し、1993年から1996年まで当研究室に留学して、エジプト産のトウダイグサ科の植物Chrozophora obliquaから、高等植物からは例のないDolabellane Diterpene Glucosidesを数多く単離して、その化学構造を決定し、広島大学で学位を修得して帰国した。前述のKamel氏は再度、1997年に日本学術振興会の特別研究員として当研究室に2年間留学して、祖国の植物成分の検索を行ない多くの成果を上げたのみならず、日本の卒業実習生やタイからの留学生の指導も積極的に行ない、真の国際協力が生まれた。
Assiut大学のYaser氏がエジプト政府のチャネル・システム事業により、2000年3月から、当研究室に留学した。山崎は99年11月にエジプトを訪問し、学長を表敬訪問し、以前の留学生二名に会い、後輩のヤセルの面接を行ない、研究材料植物を選定し、現地の教授陣と彼の指導戦略を討論した。 この訪問ではあまり、自生の植物には出会わなかったが、沢山の市販の天然物にはお目にかかった。例えば、各種のナツメヤシ、各種の香辛料、食用のハイビスカス、染料のヘンナなどである(いずれもアスワンにて撮影)。また、カイロの博物館では、太古から使われた有用植物の種子が陳列してあった。